2014.07.31
外国人観光客には定番の人気を誇り、日本でも鑑賞を楽しむ人が増えている仏像や大仏。今回訪れたのは、アジアの人々に大人気の大船観音寺。国境を越えて親しまれる理由とは? 観光客に知ってほしい、さらなる見どころもご紹介!
大船駅までは東京駅から電車で約30分。駅から歩いて5~6分の丘の上に大船観音寺がある。名前のとおり、お寺のシンボルは巨大な観音様。日本に住むアジアの人々が観音信仰で訪れたことがきっかけで、近年は観光客の参拝も急増している。
立像が計画されていたが、丘の上の突端に建造するため
安定性を優先し胸像になったとか。
丘の上のさらに階段を登った先にたたずむ観音様は、なんと胸像タイプ。地元の子どもたちの間では、地中に下半身が埋まっているという都市伝説もささやかれたそう。もちろん事実無根だが、確かに全体像をイメージしたくなる。
そのためか、約25メートルという実際の高さ以上に大きく見え、柔和な表情と相まって包み込まれるよう。巨大な胸像というインパクトに加えて、深い慈悲が感じられるのが、人気の理由ではないだろうか。
参拝者からは「大きい!」のほかに「真っ白~!」の声も多い。ご覧のとおり青空に映え、春に境内に咲く桜や藤とのコントラストも一見の価値あり。
超高層ビル並の大きさ。頭のラホツ1個は直径1メートルで、
480個あるとか。
観音様を拝んでおしまいではもったいない。観光客に知ってほしい、大船観音寺のさらなる見どころをご紹介しよう。
まずは「原爆犠牲者慰霊碑」。広島の原爆の戦火を現在まで絶やさず燃やし続けるこの貴重な石碑は、お寺のもう一つのシンボル。ぜひとも手を合わせて、平和を祈願しよう。
また、日本のある著名人がこのお寺で祈祷をしてもらうと念願の子宝に恵まれたこともあり、近年では子宝や子育てに御利益のあるスポットしても話題。子宝の祈祷をしてもらったり、境内の子育地蔵尊にお祈りをする人が多いようだ。
在日アジア人の参拝者が増えたころ、観音様の胎内のノートに彼らの悩みが綴られるようになったとか。そこで母国の踊りや音楽で楽しんでもらおうと、お寺では1999年から年に一度「ゆめ観音アジアフェスティバル in 大船」を開催。アジアの僧を招いての法要や、各国の民族舞踊の奉納が行われ、国内外の見物客で大いに賑わう。
2014年の「ゆめ観音」は9月13日(土)に開催される予定。また、毎年6月の夏至に開催される「キャンドルナイト in 大船観音」も人気で、さまざまな国の言葉で願い事が書かれたキャンドルが境内を美しく彩る。
大船観音寺
神奈川県鎌倉市岡本1-5-3 電話:0467-43-1561
拝観時間:9時~17時 (2~10月)、9時~16時半 (11~1月) 拝観料:大人300円、子ども100円(小中学生)
*幼児は無料、団体200円(20名以上)
アクセス:JR「大船」駅 西口から徒歩約 5分
http://www.oofuna-kannon.or.jp/
*表示の価格はすべて、2014年6月取材時の税込み価格(消費税8%)です。