
2014.05.29
浅草でしたい!「和」の体験 (3/3)
浅草寺や仲見世通りなど、江戸の風情満点の観光ポイントが集まる浅草には、日本の伝統文化が体験できるスポットも充実。街歩きのついでに楽しめる、3つの「和」体験をレポートします。今回は、食べられるアート「飴細工」の体験へ!
浅草の中心街から少し離れた、閑静な通りに位置する「浅草 飴細工アメシン」。ここは日本でも数少ない飴細工専門店の1つで、購入するだけでなく、実際に飴細工の製作を体験することもできる。
艶やかで涼しげな金魚の飴細工。精妙な造りに目を奪われるはず。
猫の飴細工は1480円。ほっこりと癒される愛らしさ。
黒塗りの壁に、商品の飴細工がずらりと展示されている。店頭商品の販売の他に、当日その場でのオーダー実演製作も実施。事前予約でオーダーメイドも受付けている(完成までの所要日数は1日~数週間ほど)。
飴細工とは、ハサミ1つで巧みに生み出される、繊細な飴の造形物だ。江戸時代に独特のパフォーマンスで飴を売り歩いた行商人をルーツに、昭和の頃までは各町の公園などで実演販売が行われていた。
最近では祭りの縁日などでしか見かけなくなった、日本の伝統文化・飴細工。その発展を目指して、各地で製作実演を繰り広げる飴細工師・手塚新理さんが、ここでの体験を指導してくれる。
実演コーナーが併設された会計カウンター。お店はカフェも兼ねていて、甘酒や飴コーヒーでひと息つける。
見事な手技を見せてもらいながら、飴細工造りのコツを伺った。
<How to make 飴細工>
1)体験で作るのはうさぎの飴細工。80度に熱され、柔らかくなった飴をゴルフボール大に丸めて、スタッフさんが手渡してくれる。ここで利き手側に握りバサミをスタンバイしよう。
2)手で優しく叩くようにして、飴を斜め上にとがらせる。ひよこ饅頭の形をイメージ。
3)背中から2カ所、切り込みを入れて耳を作り、それを上へ持ち上げる。
4)先ほどとがらせた部分を頭として上へ持ち上げ、鼻先を手で整える。ここでさわり過ぎてしまうと、飴の温度が奪われ硬化を早めてしまうので要注意。
5)頭の下、お腹側にハサミを向け、下から2カ所切り込むと足が生まれる。それを持ち上げて前足に!
6)今度はお尻側にハサミをあて、横向きに1カ所切り込みを入れる。浮き上がってきた下の部分を引っ張って、2つに切れば後ろ足の出来上がり。
7)後ろ足の上の出っ張った部分をハサミでつまみ、丸いしっぽを作る。
8)完全に固まるまでの残り数秒間で形を整えて、うさぎの飴細工が完成!「飴はたったの2分ほどで固まってしまうので、迷わず急いで先に進めることが上手に作るコツです」と手塚さん。またハサミは大きく開いて、大胆にカットすることもポイントだとか。
9)2回ほど練習を繰り返した後、本番に入る。多くの人が練習でコツをつかみ、本番用は意外と上手に作れるそう。最後に目や鼻などの絵付けをすれば、食べるのが惜しくなるほどのかわいさに! 作った飴細工は当日そのまま持ち帰りが可能。しばらくは観賞して楽しもう。
こちらのお店の飴細工の特徴は、リアルに近い造形。伝統技術の奥深さを醸し出すような、精巧な飴細工がモットーなのだそう。
動物や花なども美しいが、おすすめは魚の飴細工だ。飴の透明感が瑞々しい水中の生き物の雰囲気とマッチして、涼やかな空気をもたらしてくれる。 自分で作った飴細工は手離すのが惜しいので自分用に。大切な人へのお土産は、ぜひ店内に並ぶ表情様々な商品の中からセレクトを。
金魚は1480円~。塗装の施し具合で価格も変動する。
パンダ1480円、アザラシ1250円など、愛らしい動物デザインの飴細工は子どもたちに喜ばれそう!
※表示の価格はすべて、2014年4月取材時の税込み価格(消費税8%)です。
浅草 飴細工アメシン
東京都台東区今戸1-4-3 1階 電話:03-5808-7988
営業:11時~18時 休み:木曜(臨時休業あり)
交通:東武スカイツリーライン浅草駅から徒歩約12分、東京メトロ銀座線・都営浅草線の浅草駅5番出口から徒歩約15分
※「飴細工体験教室」は不定休(HPで開催日を確認して要予約)。
体験料金大人2500円、高校生以下2000円。
※小学生以下の子どもは必ず保護者同伴で来店を。
http://www.ame-shin.com/