2013.12.19
「Bento」の綴りで世界へと広まりつつある日本のお弁当。そんなお弁当のなかでも、日本人にとりわけ熱く支持されるのが「駅弁」だ。東京では、全国各地の人気・名物駅弁が集結するスポットが大盛況。まずは国内最高峰と謳われる駅弁イベントをご紹介!
国内最高峰の駅弁イベント
「京王百貨店駅弁大会」
京王百貨店新宿店で毎年1月に開かれる「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会(以下、京王百貨店駅弁大会)」は、たくさんの人々が駅弁への愛情を爆発させる名物イベント。
もともと列車内で食べるための駅弁が、なぜ百貨店で人気なのか? 「昔の旅行の思い出、故郷の味を思い出す、郷愁を誘うのが大きいですね」と話すのは、京王百貨店駅弁大会の担当者、永井マネージャー。本来、駅弁はそれぞれ特定の駅で売られるもので、地元の海の幸・山の幸を使うなど郷土色が強い。そこに旅情や郷愁といった付加価値を見いだす人が多いようだ。
京王百貨店駅弁大会には、そんな駅弁が全国各地から約250種(2013年の第48回大会実績)も集まる。本来なら訪ね歩いて食べるはずの人気・名物駅弁を東京にいながら入手できるのだ。ほかの百貨店やスーパーでも、こうした駅弁イベントが開催されるが、京王百貨店駅弁大会は歴史が長く、規模も知名度も国内屈指。定番駅弁はもちろん、幻の駅弁や新作駅弁など、毎年新たな目玉が登場するのも特長で、一度ハマると抜け出せない。
約2週間の会期中、会場となる7階大催場は異様なほどの熱気に包まれ、人気駅弁の行列が8階を通り越して屋上まで達することも。「会期中は部署を問わず販売応援に駆けつける、まさに全社を挙げての一大イベントです」と永井マネージャー。
その年だけのお楽しみ
行列必至の駅弁企画
種類の豊富さだけではなく、駅弁の魅力を引き立てる企画も京王百貨店駅弁大会の強み。過去には「海外駅弁」や「復刻駅弁」が反響を呼び、路線ごと消えた名物駅弁を忠実に再現した「廃線駅弁」企画では、離れた故郷への郷愁からか、思わず涙ぐむお客さんもいたとか。
食材をテーマにした「駅弁対決シリーズ」は、長年続く名物企画。2013年の「えび・かに対決」では、かにと伊勢えび、それぞれ漁獲量日本一を誇る北海道の「食べくらべ 四大かにめし」と千葉県の「伊勢えび弁当」という豪華な駅弁が広告チラシのトップを飾り、連日行列に。販売数は合わせて3万個を超えたという。
大会の花形、実演販売
そして、京王百貨店駅弁大会といえば実演販売。約250種の駅弁のうち実演販売は例年30種程度だが、そのブースは会場面積の多くを占める。地元の誇りを背負った駅弁業者が作るできたての名物駅弁は大会の花形だ。実演ならではのライブ感が会場の熱気に拍車をかける。
駅弁業者、主催者、お客さん、だれもが熱くなる京王百貨店駅弁大会。「Bento」に興味がある人なら楽しめること間違いなし。開催日程など、2014年大会の詳細は記事執筆時点では未定だが、例年なら1月10日前後からおよそ2週間開かれる。機会があればぜひ!
京王百貨店新宿店
東京都新宿区西新宿1-1-4 電話:03-3342-2111 営業:<全館>10時~20時(時期により異なる) <レストラン街>11時~22時 不定休 http://info.keionet.com/shinjuku/