
2012.02.20
ジャパニーズ麺カルチャーの
最新トレンド "女子ラーメン"
中国の麺料理をルーツとしながら、アレンジにアレンジを重ね、日本の国民食となったラーメン。その最新トレンドとして今話題なのが、“女子ラーメン”。男性客がほとんどだったラーメン店に女子の姿が急増中!ブームのワケ、そしてオススメのお店をご紹介します! (トップ画像:黄金の塩らぁ麺 ドゥエ イタリアン)
ブームの火付け役に聞いた
女子はこんなラーメン店に行きたい!
トマトたっぷりのヘルシーなラーメンを食べる松本きよりさん。女子にオススメのラーメン店を150店以上取材している。
ラーメンだけではなく、居心地も女子には大切なポイント。カフェのような空間は高評価。
(写真:らーめんと甘味処 九月堂)
男子が一杯の丼と向き合い、黙々と己の空腹を満たす―ー。そんな "男の世界"だったラーメン店に今、女子の姿が急増中!"女子ラーメン"なる言葉をテレビや雑誌で目にすることもしばしば。なんでも、女子に人気のお店はこれまでのラーメン店とは違った特徴があるそう。
「ラーメンと聞いて、女子がまず気にするのがカロリー。野菜中心のヘルシーなラーメンは女子受けがいいですね。最近は動物性の食材を一切使わないラーメンも話題です。トマトスープにチーズを合わせるなど、パスタ感覚で食べられるラーメンも女子好み。イタリアンやフレンチ出身のシェフが手がけるラーメン店となると、期待度もぐんとアップします」
お話しを伺ったのは「女子ラーメン部」部長の松本きよりさん。松本さんはブームの火付け役となった書籍、その名も『女子ラーメン部』を手がけたフリーのプロデューサー。仲間の女子たちと「こんなラーメン店ならわたしたちも行きたい!」 という視点でお店を探し、書籍やブログで紹介している。
「ラーメンさえ気に入ればOK!とならないのも女子ならでは」と松本さん。「普通のラーメン店は食べたらすぐ帰るという雰囲気だけど、女子は食後のお茶やおしゃべりも楽しみの一つ。ゆったりと過ごせるカフェのような雰囲気だとうれしいですね。メニューにスイーツがあれば、食後のひとときがより充実します」
「黄金の塩らぁ麺 ドゥエ イタリアン」オーナーシェフの石塚和生さん。イタリアンやフレンチ出身のシェフが開いたお店はグルメな女子にも人気。
「らーめんと甘味処 九月堂」の女将、井上真由さん。女性のオーナーや店員が活躍するお店は「女子目線が生かされていて、通いやすい」と松本さん。
ヘルシー、イタリアン、スイーツ、居心地――。つまり、カフェやパスタ店に近い感覚で行けるラーメン店が女子にはポイントが高いよう。それではいよいよ、松本さんがオススメする"女子ラーメン店"の魅力をレポートします!
隠れ家カフェ空間でいただく、絶品ラーメン&甘味
「らーめんと甘味処 九月堂」
「らーめん あっさり(750円)」は、あっさりなのにうまみが深い女子人気No.1メニュー。一口目から芳醇な魚介のだしが香り、後半は黒大豆のやさしい甘みとコクが顔をのぞかせる。キュートな紅白のあられは女将さんの提案だとか。
窓の外には渋谷には珍しい緑の景色が広がる。北欧のデザイン照明や苔玉、和雑貨など、女子のおしゃれ心をくすぐる和モダンなインテリアにもご注目を!
「まるで隠れ家カフェ! 女子一人でも、グループでも抜群のくつろぎ感」と松本さんが絶賛するのが「らーめんと甘味処 九月堂」。ゆったりと椅子に座り、外の緑を眺めるだけで、無駄な力がふっと抜けていくよう。若い店主&女将さんが醸す、ゆるりとした空気にも癒され、大勢の若者でにぎわう街、渋谷にいることを忘れるほどの心地よさ。
もちろん店主自慢の自然派ラーメンも絶品。化学調味料を一切使わない、しょうゆベースのスープは口当たりがやさしく、それでいて食べ進めるほどに味の表情が深まっていくのが特長。ラーメン通の男子にもファンが多いのも納得。
このお店のもう一つの魅力が、ラーメン店には珍しい甘味メニュー。甘いモノ好きの女子は、女将さんこだわりの和のスイーツをぜひお試しあれ!
季節限定のラーメンも常連の女子に人気。「あっさり醤油のしそワンタン麺(850円)」は、しその風味が絶妙なアクセントになった後味まで美味な一杯。
「定番甘味の三種盛り(580円)」は「さくらアイス&抹茶ムース」「ゆずシャーベット&ゆずジュレ」「3種のごまアイス」が一度に楽しめる。甘味はラーメンの食後にマッチする味と食感を追求したそう。
らーめんと甘味処 九月堂
東京都渋谷区神南1-15-12 佐藤ビル2F 電話:03-6327-4056 営業:平日11時30分~22時 土日祝日12時~21時(スープがなくなり次第終了) 定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
http://www.kugatsudo.net/
イタリアン出身シェフによる新感覚グルメラーメン
「黄金の塩らぁ麺 ドゥエ イタリアン」
鶏スープに生クリームを合わせた「白いらぁ麺(パルマ産生ハム添え)(980円)」。パスタに使われるセモリナ粉を配合したイタリア麺を使用。チャウダーのような、パスタのような、でもやっぱりラーメンという絶妙な味わいがグルメ派女子を魅了!
「冷製イタリア麺 赤(1,200円)」。フルーツトマトとサンマルツァーノ、2種のトマトをふんだんに使った見た目も鮮やかな冷たいラーメン。トマトの酸味と果実ビネガーの甘みがベストマッチ。
「女性客が8割、ラーメンの新しい魅力に出会える人気店です」と松本さんが紹介するのが、都心ながらも落ち着いた街、市ヶ谷にある「黄金の塩らぁ麺 ドゥエ イタリアン」。イタリア料理界で25年のキャリアを持つ石塚和生シェフがオーナーを務める。
トマトや生ハム、チーズといったイタリアンの食材を使った創作ラーメンは、既存のラーメンともパスタとも異なるおいしさ。「丼一杯でフルコースを表現したい」というシェフの言葉どおり、素材一つひとつの持ち味が次々と口の中で華やぐ。
とはいえ、店名に一番シンプルなメニュー「黄金の塩らぁ麺(780円)」を冠しているとおり、どれも奇をてらった味ではなく、絶妙なまとまり感こそが生命線。この新感覚ラーメンを体験したら「とにかく食べてみて!」と誰かに勧めたくなるはず!
イタリアンの技法を生かしたスイーツにも定評が。「杏仁豆腐風パンナコッタ(350円)」は、濃厚な生クリームにアーモンドの風味が効いた人気メニュー。
女性の一人客でも落ち着けるように客席は壁に向かうスタイルを採用。白基調のすっきりとした空間と、奥行きの広いカウンターでゆったりくつろげる。
黄金の塩らぁ麺 ドゥエ イタリアン
東京都千代田区九段南4-5-11 富士ビル1F 電話:03-3221-6970 営業:平日11時~15時、17時~22時 土:11時~22時 日祝日:11時~21時(スープがなくなり次第終了)
http://dueitalian.media-sp.jp/