お花見の歴史
【花見のルーツは貴族の行事】
日本において桜を愛でる花見のルーツは、奈良時代(西暦710~793年)にまでさかのぼる。貴族の行事が起源だと言われており、当時は中国から伝来した梅を観賞していたそう。その後、平安時代(西暦794 ~1185年)になって桜を観賞するようになったと言われている。
【梅から桜へ、花見の変遷】
奈良時代は花と言えば梅のことだったが、平安時代になって桜を指すようになった。その原因は定かではないが、一説によると、御所が火事にあったときに焼失した梅に代わって桜が植えられたからだとか。また、独自の文化を育むために、渡来種の梅よりも日本古来の桜が重視されたという説も。
【花見が庶民のイベントになったのは江戸時代】
貴族の行事だった花見が庶民の間でも楽しまれるようになったのは、江戸時代(西暦1603~1868年)になってから。徳川幕府8代将軍・徳川吉宗(在位1716~1745年)が江戸の各地に桜を植樹し、花見を奨励したことがきっかけ。娯楽が少なかった江戸の庶民にとって、春の行楽イベントとしての花見が一気に広まった。この頃からすでに、弁当とお酒を持って桜の名所で花見の宴を行っていたようだ。
【なぜ、桜が愛されるのか?】
桜の花は、ほぼ同時期に一斉に咲き、わずか5~7日で散ってしまう。パッと咲いてパッと散る、その潔さあるいは儚さが、日本人の感性にぴったりだろう。また、桜の開花によって本格的な春の到来を感じることも、日本人が桜を愛する理由のひとつ。
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