日本の象徴、富士山。
この山がスゴイのは、日本一の高さだけではありません。
「いかに日本人に愛されている山か」を知っておけば、富士山観光の魅力が倍増すること、請け合いです。
日本人にとっての富士山とは
チラッと見えるだけでも、
トクした気分!!
山梨県と静岡県にまたがり、そびえ立つ富士山。富士山がもっとも大きく見えるのはこの2県だが、江戸時代の浮世絵『富嶽三十六景』には、現在の山梨県・静岡県のほか、神奈川県、東京都、千葉県、茨城県、長野県、愛知県から見た富士山の姿が描かれている。愛知県からの眺めを描いた作品「尾州不二見原」は、はるか遠くに小さな富士山が見えるのみ。それでも富士山が見える景色は、古くから日本人の憧れだったのだ。
人生で一度は、
あの山頂に立たなくちゃ
古来日本人は、富士山を聖なる山と考え、壮麗な姿に畏敬の念を抱いてきた。富士参拝がもっとも盛んになったのは江戸時代だが、当時の庶民にとっては負担が大きく、夢のような話......。それでもあきらめきれなかった人々は、富士山から溶岩を運ぶなどして、富士山を模した小さな塚を関東各地に築いた。これが、通称「お富士山」と呼ばれる「富士塚」。庶民はこれに登ることで、霊峰富士山の恩恵にあやかろうと考えたとか。「いつかはきっと富士登山を!」、その憧れは、今も昔も変わらぬものなのだ。
いつでも身近に感じていたいから…
北は北海道から南は沖縄県まで、日本各地には、「○○富士」という別名がつけられた山が多数存在する。たとえば、北海道にある羊蹄山は「蝦夷富士」、東北にある岩木山は「津軽富士」といった具合だ。これらの通称「ご当地富士」「郷土富士」と呼ばれる山々は、一説には300以上とか……! 日本人にとって富士山は、秀麗な山の代名詞であり、常に近くに感じていたい存在なのだ。
富士山ってこんな山
「3,776m ・ 日本一」
「山梨県と静岡県の境」
メジャーな登山道「富士スバルライン五合目」にアクセスしやすい富士急行富士山駅までの時間は、都内JR新宿駅から2 富士山が見える景色は、古くから日本人の憧れだったのだ。
時間ほど。名古屋駅からは4時間以内。名古屋駅の場合、富士山に近いJR御殿場駅までなら、約2.5時間でアクセスすることも可能!
※すべて電車のみで移動した場合。最短時間の目安。
「登る」、「眺める」、「霊力に触れる」、「遊ぶ」
2012年夏期の登山者(8合目以上)は、なんと31万人以上(環境省関東地方環境事務所調べ)。
美しさも日本一!
数々の芸術作品のモチーフとなってきたその姿、一見の価値アリ。
山頂のほか、麓にも多数の神社が存在。
国内最大のパワースポットかも?!
山麓の御殿場、富士吉田、河口湖などには、アミューズメントパークのほか、遊び場がたくさん。
富士山が、〈世界文化遺産〉に!
1992年には、「富士山を世界遺産に」という署名運動がはじまっていた富士山。それから約20年のときを経て、2013年6月にめでたく世界文化遺産への登録が正式決定した。決め手となったのは、「信仰の対象」「芸術の源泉」であったこと。荘厳で美しい姿ゆえ、古くより神の宿る山として人々に信仰される一方、多くの俳句・短歌に詠まれ、浮世絵や絵画のモチーフとなり、文学作品の題材ともなってきたことが評価された形だ。日本人の心を捉え続ける名峰、富士山。今後は「世界に親しまれる山」を目指すことになりそうだ。