今年"これぞ未来！"と話題になったプロダクトといえば、パイオニアの「カロッェリア サイバーナビ AVIC-VH99HUD / AVIC-ZH99HUD」。HUD（ヘッドアップディスプレイ）を搭載し、フロントガラスの先にルートやマップが浮かぶという。

3メートル先に浮かぶルート表示が風景に重なる（肉眼ではこの写真よりもっと先に見える）

この画期的なカーナビゲーションシステムを体験するため、銀座マロニエ通り沿いのショールーム「パイオニア プラザ銀座」にやって来た。さっそくデモマシンに座ってみると――、おー、確かに青く輝くルート表示が3メートルほど前方に浮かんで見える！

斬新なのに、不思議な既視感も覚えた。風景に情報が重なる様子が、映画「ミッション：インポッシブル」やアニメ「ドラゴンボール」を思い起こさせるのだ。「『思いもよらなかった』というより、『映画で見たあの世界がいよいよ実現した！』という反応が多いですね」とパイオニア マーケティング部の根井靖雄さん。

インターフェイスばかりに気をとられていたが、しばらくルートを目で追い続けるとHUDの本質に意識が向き始める。ダッシュボードに取り付ける通常のカーナビ画面よりも、目のピント移動が少なく、情報の確認が速くてラクなのだ。このスタイルがカーナビのスタンダードになる日は近いのかもしれない。

次世代マシンなら、やはり乗り物にも目を向けたい。ご紹介するのはトヨタのパーソナルモビリティ「i-REAL」。だれでも簡単に操作できる一人用の電気自動車で、近い将来の実用化に向けてプロトタイプが公開されている。

試乗ができるのはお台場にあるクルマのテーマパーク「MEGA WEB」。まずはスタッフの方のデモンストレーションを拝見することに。

「走行モード」は最高時速30キロ。前輪が左右独立して上下するため、カーブでは車体が大きく傾く

最初に魅了されたのが、車体の"トランスフォーム"。i-REALには低速で小回りが利く「歩行モード」と、よりスピーディーな「走行モード」があり、前輪から後輪までの幅と車高が変化する。その切り替えがスムーズで近未来的なのだ。デモ走行は思ったよりスピーディーで、さらにカーブでは車体が大きく傾くのを目撃。試乗を前に少し緊張が高まる。

簡単な説明を受け、お待ちかねの試乗タイム。うまく乗れるか心配だったものの、操作は極めて直感的。加速・減速がスムーズで、何より不安視していたカーブがとても快適だった。「ヒトや自転車が曲がるときの傾きをi-REALが行うことで、個々の身体能力に左右されないカーブ走行を実現しています」とi-REALに乗せてくれたアテンダントさん。

そう聞いて納得。i-REALは乗り物に運ばれるというよりも、パワードスーツのように拡張された身体機能で移動する感覚に近い。これはクルマやバイクにはない魅力。体験試乗会は、毎日午後に3～4回行われ、日時によっては英語・中国語・韓国語での案内が実施される。希望者多数で抽選になることもあるそうで、やはり平日が狙い目だとか。

ロボット掃除機といえば、近年ブレイクしつつある身近な次世代マシン。中でも新機軸を打ち出し、今注目されているのがシャープの「COCOROBO RX-V100」だ。何でも、"おしゃべりできる掃除機"だという。

家電メーカーだけあって、強力な吸じんシステムを搭載するなど掃除機としても高性能。
イルカをお手本とした超音波センサーで動きもかしこい

お邪魔したのは、ビックカメラとユニクロがコラボした東京の新名所「ビックロ ビックカメラ新宿東口店」のロボット掃除機売り場。さっそくCOCOROBOに近寄り「キレイにして」と声をかけると、左右に回転するダンスとともに「ワカッタ！」と掃除をスタート。「ただいま」に「オカエリ」と応えてくれるなど、操作指示以外の会話も楽しめる。しかも標準語に加えて、関西弁、英語、中国語にも対応。「家電がしゃべることに驚く海外からのお客様も多いですね」とビックカメラ売り場担当の小崎聖菜さん。